たくさんの人を動かす責任は重大
それだけに、喜びも大きい!

建築部 明石 光司

現場で働きたくて、施工の道へ
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大学では、バリアフリー設計などを専門とする福祉建築を学んでおり、設計事務所でのオープンデスク(インターンシップ)も経験しました。でも、勉強しているうちに、机に向かっているより現場に出て行くほうが性に合っている気がして「設計よりも施工をしたい」と思うようになったんです。そこで、オープンデスクでお世話になった設計事務所の方に、その気持ちを伝えて相談したところ、五月工建を紹介してくださいました。

仕事の内容は薮木さんとまったく同じ施工管理で、工事のスケジュールを組んで、工程通りに進むよう管理すること。大学で建築を学んではいたものの、具体的な仕事については、やはり実際に働いてみるまでよく理解できていませんでした。最初は、先輩に「○○を取って来い」と言われてもなんのことかわからず、こっそりスマホで調べたり。それでも、経験を積むうちに少しずつわかることが増えてきました。
今は先輩の指示で動くだけでなく、小さな現場はひとりで担当し、自分の判断で指示を出せるようにもなってきました。例えばちょっと複雑な仕上げ方など、自分なりに「こうしてみたらうまくいくんじゃないか」と考えて職人さんに伝えます。それがうまくいって、きれいに仕上がったときは本当にうれしいですね。

福島での震災復旧工事も経験
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これまでさまざまな現場を経験しましたが、中でも印象に残っているのは、福島県相馬市での震災復旧工事。1年間福島に滞在し、震災で壊れた河川の護岸の復旧工事に携わりました。
まったく知らない土地、知らない職人さんたちの中で、どうやって仕事を進めていけばいいのか、最初はみんな手探りの状態でした。まずはとにかくコミュニケーションを取るようにしていると、そのうち名前を覚えてもらえて、だんだん打ち解けてきましたね。
1年の工期の間ですが、福島の方にはいろいろよくしていただきました。仕事を通じ、少しでも震災復興に関わることができてよかったと思います。

今は、会長の自宅の新築工事をさせてもらっているんですよ。今まで公共工事ばかりをやっていたので、一般住宅は初めての経験。会長といえども、個人のお客さまの依頼で建てるというのは、細やかな気配りの部分など勉強になることがたくさんあります。施主の要望も、施工の仕方も、住宅ならではの繊細さがあって慣れないことばかりですが、この仕事が終われば、自分の中でひとつステップアップできるような気がします。

先の先まで考え、確認することが大事
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これまでにはもちろん、失敗もいろいろとしてきました。でも、振り返ってみると、どんな失敗も結局「まあ大丈夫だろう」という気の緩みが原因になっているんですね。ついつい時間に追われ、最終確認をおろそかにしたまま指示を出してしまって、後で寸法が合わなくなったり、発注の順番を間違えて作業の手順が狂ってしまったり。どんな小さなことも、その場しのぎでなく、先の段取りまでよく考えて判断しないと、後で大変な問題になって返ってきてしまうんです。

自分の確認不足でミスが発生して、工事をやり直さないといけないときは、もう本当につらい。自分でなんとかできるなら徹夜してでも自分で復旧したいですが、職人さんにお願いして、せっかく作っていただいたものを壊して、余計な作業をしていただかないといけないというのが、すごく心苦しくて。そういうことにならないように、そして、もし間違っても最小限の修正ですむように、作業の前にも、作業中にも、とにかく確認。これが一番大事だと、いつも自分に言い聞かせています。

山あり谷ありがおもしろい
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ときには厳しい言葉を掛けられることもありますが、頭ごなしに怒られるわけではなく、職人さんも、先輩たちも、自分のことを気に掛けてくれているんだなということはよくわかります。ひとりで現場に行くようになってからは、先輩がこまめに「今の現場はどうや」「困ってることはないか」と聞いてくださいますし、自分も現場でわからないことがあればすぐ先輩に電話しています。
自分なりに「うまくいった」と思う仕事ができて最高にうれしいときもあれば、失敗して激しく落ち込むこともあり、この仕事はものすごい山と谷の連続。大波にもまれながらも、周囲の皆さんに助けていただき、なんとかここまで進んできました。
来年から1級建築施工管理技士の受験資格が得られます。それに合格すれば、どんな大きな仕事も自分の名前でできるようになるので、まずは資格取得が目標です。これからもっと経験を積んで、お客さまに「次もまた明石さんにお願いしますね」と言われるような、信頼される監督になりたいですね。

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